herb& aroma mail magazine

ハーブ・アロマ メルマガ 「佐々木薫先生のエッセイ」
vol.47

はじめよう、朝の習慣

 「一年の計は元旦にあり」、年の初めは、新しいことを始めるには絶好のチャンスです。大きなことでなくとも身の回りのこと、些細なことでも実行すること、考えるだけでも意義があると思います。年の始まりは1月であり、1日の始まりは「朝」です。朝の時間をどう過ごすか? 後に続く1日にも大いに影響がある気がします。皆さん、どんな朝を過ごしていますか?

 人間を含め地球上に存在する生物は、生まれながらに「生体リズム」を持ち、私たちの健康に深く関係があります。そのリズムはサーカディアン(慨日)リズムと呼ばれ、およそ25時間周期です。天体のリズムは1日24時間なので、その差1時間を毎日リセットし、バランスを整えています。

 ではどうやってリセットしているかというと、いくつかありますが、そのひとつが「光」です。サーカディアンリズムの乱れは、体温、血圧、ホルモン分泌、睡眠などのバランスに大いに影響します。たとえ夜眠れなくとも、朝になったら起きて太陽の光を浴びることで、眠りのリズムが整うと言われます。そういった意味でも、朝をどう過ごすかを考えることで、朝の時間を有益なひとときにすることができます。

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 私が毎朝の習慣にしていることは、
「朝起きたら、まず歯を磨く」
「白湯(さゆ)を飲む」
この2点です。どちらもアーユルヴェーダの教えです。

 夜、歯を磨いても、朝起きた時になんとなく口の中が気持ちが悪い、そんな経験はありませんか? 眠っている間に、口の中にはアーマ(毒素)が蓄積します。食事の前に先ず、口の中を洗浄します。

 そしてゆっくりコップ一杯の白湯を飲みます。白湯を飲むことで、睡眠中に不足した水分を補ったり、消化管を刺激し、排せつを促す、体を温める、などの効果があります。

 やかんにお湯(カパ)を沸かし(ピッタ)、沸騰したら蓋を開けて風(ワータ)を入れながら10分ほど沸騰させ、50℃程度に冷まして飲みます。沸かし続けることで塩素や不純物が抜け、まろやかなお湯になると言われますが、本当にそう感じます。アーユルヴェーダ流に考えればワータ、ピッタ、カパ、万物を構成する3つのエネルギーを取り入れられ、生気が満ち溢れます。飲むときは、全身の細胞にしみわたらせることを意識して飲んでいます。すると、細胞のひとつずつが目覚めていくような感覚があります。

▼ 白湯はたっぷりの風を入れながらお湯を沸かすことで、
ワータ、カパ、ピッタ、万物を構成する3つの
エネルギーのすべてをとりいれることができます。

 温度や飲み方は、その時の体調によって使い分けるとよいと思います。夜寝る前に飲むときは、温度を高めにすると、体が温まります。白湯に生のショウガを細く切ったものやコリアンダー、クミンなどのスパイスを加えるのもよい方法です。食後にショウガ入りの白湯を飲めば、消化が促進され、口の中が爽やかになります。

 私が朝が好きな理由は、誰にも邪魔されない自分だけの時間だからです。まだ周囲が寝静まる日の出の頃の時間、自分だけがスタートしているのは、とても得した気分です。どうぞ、今年は朝の過ごし方を一考してみてください。皆様にとってよい一年になりますよう、お祈り申し上げます。

▼ 朝の習慣としては瞑想もおすすめです。

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日本園芸協会 指導部 佐々木薫



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佐々木 薫(ささきかおる)
プロフィール:
公益社団法人日本アロマ環境協会認定アロマテラピープロフェッショナル。 NHKをはじめテレビ、ラジオの出演多数。 日本園芸協会の通信教育講座「ハーブコーディネーター養成講座」テキスト執筆者。

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日本園芸協会 学習サービス課 aroma@gardening.or.jp




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