Sweets Specialist's WEB MAGAZINE

<猫井登のお菓子紀行>

vol.33
イギリス・ロンドン(5)
ロンドン中心部

この「お菓子紀行」では、私:猫井登と、同じくお菓子研究家である妻:Junkoが実際にお菓子の研究のために訪れた国々での体験や旅の様子を交えながら、さまざまなお菓子を紹介していきます。
今回は、イギリスのロンドンの様子です。

J:せっかく、アフタヌーンティーについていろいろ習ったから、本場のホテルのアフタヌーンティーを体験してみたいわ。

猫:そう思って、アフタヌーンティーで有名なホテルを予約しておいたよ。

J:どこ?

猫:ブラウンズホテル。創業1837年の老舗ホテルで、ルーズベルト大統領やアガサ・クリスティなんかも宿泊したホテルだよ。

<ブラウンズホテルにて>


▼ブラウンズホテル

アフタヌーンティーを注文して、テーブルで待ちます。

J:渋い感じの、いかにも歴史がありますって雰囲気のホテルね。

猫:電話を発明したグラハム・ベルが、このホテルでデモンストレーションを行ったそうだよ。つまり、イギリスで初めての電話は、このホテルからかけられたわけ。

J:ふ~ん。そんな時代からあるホテルなのね。

ケーキスタンドが運ばれてきましたが……。


▼出てきたケーキスタンドの2段目が空だった

J:あれ? 2段目のスコーンが無いんですけど??

猫:???

J:忘れているってこと、ないわよね? せっかくなので、3段揃ったところを写真撮りたいんだけど、ウエイターさんに聞いてくれる?

猫:……聞いたらね。
「こちらでは、お客様がサンドイッチを食べ終えるのを見計らって、焼き立てのスコーンを提供しております」って。
ま、3段揃ったところを写真撮りたいから、持ってきてほしいと頼んだけれど……。

J:そうだったのね! 田舎者だと思われたかも(笑)。

猫:しょうがないでしょ。実際そうなんだから(笑)。 ま、ゆったり紅茶でも飲んで待とう。

J:やっぱり体験しないと分からないわね。メモしとかないと。「高級ホテルではスコーンはあとから供されます」って(笑)。


▼スコーンも出てきた三段のケーキスタンド

写真撮影を終えて、ようやくサンドイッチから食べ始めます。
スコーンを食べ終えて、一番上のケーキ類に到達したころ……。

J:あれ、なんかワゴンというか、ケーキがのったテーブルを押してきたけど??

猫:「お好きなケーキをどうぞ」って、言っているけど。

J:スタンド以外にも、ケーキが登場するのね!! 私、ヴィクトリアサンドイッチケーキ!

猫:はいはい。注文しておきました。


▼スタンドとは別に出てきたヴィクトリアサンドイッチケーキ

J:再びメモね!「高級ホテルでは、別にケーキのワゴンサービスがあります」って(笑)。
これは、晩御飯を食べられないなあ。

猫:食べすぎでしょ(笑)。


ホテルをあとにして、街をぶらぶら散策します。


▼街のケーキ屋さんに並ぶケーキ

J:街のケーキ屋さんでは、フランス風のケーキが多く売られているわね。

猫:やっぱり華やかだからね。

つづく

プロフィール:
猫井 登(ねこい のぼる)
1960年、京都生まれ。早稲田大学法学部卒業後、大手銀行に勤務。退職後、服部栄養専門学校調理師科で学び、調理師免許を取得。ル・コルドン・ブルー代官山校で、菓子ディプロムを取得。その後、フランスのエコール・リッツ・エスコフィエ、ウィーン、ロンドン等で製菓を学ぶ。著書:「お菓子の由来物語」(幻冬舎ルネッサンス)、「スイーツ断面図鑑」(朝日新聞出版)、「お菓子ノート」(新人物往来社)ほか。
日本創芸学院「コーヒーコーディネーター養成講座」テキスト「コーヒーショップの経営」について執筆を担当、「飲食店開業セミナー」講師も務める。

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