herb& aroma mail magazine

ハーブ・アロマ メルマガ 「佐々木薫先生のエッセイ」
vol.33

夏こそハーブティーを!

 大手コーヒーチェーン店のメニューにハーブティーが導入されたり、製茶メーカーからハーブ入りドリンクが発売されたり、街中でもハーブティーを目にする機会が増え、特別なものではなくなってきました。ハーブだけでお茶にするのではなく、紅茶や緑茶、中国茶などとブレンドされたり、フルーツとあわせたり、飲み方も自由自在、手軽に飲めるドリンクとして市民権を得てきたようです。

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 夏におすすめのハーブティーとしては、ハイビスカスやローズヒップが定番です。クエン酸やビタミンCを含み、疲労回復に役立ち、夏バテの予防になります。利尿作用もあるので、水分過多やむくみの改善に役立ちます。お茶として飲むだけでなく、ゼリーや氷にしたり、ピクルスに加えるなどもでき、刺激的な酸味が食欲増進にもなります。

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 最近の注目は、ルイボスティーです。南アフリカ原産、地球上でそこにしか自生しないと言われるハーブですが、現地では、不老長寿のお茶として親しまれてきました。強い紫外線と激しい乾燥という過酷な土地で、いきいきと生育するハーブは生命力にあふれ、高い抗酸化作用があります。最近はルイボスが毛細血管の働きを強化するという実験結果も報告され、マスコミにも取り上げられています。ホットでもアイスティーでも楽しめますが、ポイントは長めに抽出すること、煮出してもよいでしょう。お茶の色はルビー色、味もクセがなく飲みやすいお茶です。風味が変わりにくいので、その日のうちなら作りおきもできます。柑橘系やスパイスとの相性がよく、ミルクティーとしてもおいしい。カフェインを含まないため、ルイボスのアールグレイやチャイなど、ノンカフェインのフレーバーティーとして製品化されています。もちろんレモンやローズ、カレンデュラなどのハーブとのブレンドもおすすめです。私はシナモン、クローブ、カルダモンとミックスし、牛乳を加えて煮出したマサラチャイ風が好きです。

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 そしてもうひとつが、バタフライピーです。バタフライピーは和名をチョウマメ(蝶豆)といい、花の形が蝶に似ているマメ科の草本です。原産はタイで、タイでは青い花をお茶として、色素として活用されてきました。お湯または水を注ぐと美しいブルーのお茶になります。この青色の成分は、目によいといわれるアントシアニンです。青いお茶というとマロウティーが有名ですが、マロウより色は鮮やかで色保ちもよいようです。レモンなどの酸を加えるとピンク色に変わります。飲用だけでなく、髪にもよいと言われ、タイではシャンプーや石けんなどの化粧品にも使われます。爽やかなブルーと色が変わる驚きが夏のおもてなしにはピッタリだと思います。

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 暑い日中の水分補給は重要です。ハーブティーを上手に取り入れながら、健康な夏をお過ごしください。


日本園芸協会 指導部 佐々木薫



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佐々木 薫(ささきかおる)
プロフィール:
公益社団法人日本アロマ環境協会認定アロマテラピープロフェッショナル。 NHKをはじめテレビ、ラジオの出演多数。 日本園芸協会の通信教育講座「ハーブコーディネーター養成講座」テキスト執筆者。

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日本園芸協会 学習サービス課 aroma@gardening.or.jp




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