ハーブ・アロマ メルマガ 「佐々木薫先生のエッセイ」
vol.12
冬のアロマ「柚子」でボディケア
冬至のユズ湯は楽しみましたか?五月の菖蒲湯同様、古くから伝統的に親しまれる、日本のハーバルライフのひとつです。ご存知のとおり、冬至とは二十四節気のひとつで、昼間の時間が最も短い日、古くは新しい年の始まりの日でした。この日にユズ湯に入るのは、いろいろな説もありますが、厄払いのための「禊(みそぎ)」の意味合いが強いようです。
冬が旬の柑橘の中でも柚子は香りが強く、「強い香り=邪気を払う」という考えから、ユズ湯が習慣になったのではないでしょうか。また、ユズは実がなるまでに17~18年という長い年月がかかるため、長年の苦労が実るようにという願いも込められるといわれます。
![]() |
ユズの精油は果皮に含まれ、血行を促進し肩こりや冷え性を緩和したり、体を温め、風邪を予防する効果があります。精油は比較的高価ですが、果実そのものをお湯に浮かべても、アロマテラピー効果は十分期待できます。丸ごと使ってもよいですが、果肉や果汁より果皮が大事なので、果皮だけを削り取って使うのが効果的です。
ユズまたはユズ精油活用の代表は、やはり入浴剤でしょう。発汗作用を高める天然塩とあわせるのがおすすめです。揮発性の高い柑橘の香りを長持ちさせてくれます。天然塩大さじ2に3~5滴の精油を加え、お湯に入れてよく混ぜます。ハチミツを加えれば、甘い香りが加わり、しっとりします。
また、この時期、気になるカカトケアにも活躍します。かかとは全身を支え、最も体重のかかる部分として、他の部分より皮膚の角質層が厚くできています。手入れを怠ると必要以上に厚くなり、水分保持力も低く、カサついたり、ひどくなるとお餅のように白くひび割れたりします。
カカトのケアのためのボディスクラブは、ミキサーなどで細かくパウダー状にした天然塩大さじ2とアーモンド油大さじ1を混ぜ、なめらかになるまでよく練ります。そこにユズ精油を2滴加え、さらに混ぜます。これを少量ずつ手にとり、小さな円を描くようにかかとをマッサージします。事前に足浴または入浴で足にたっぷり水分を含ませ、皮膚をやわらかくしておきましょう。いずれもやさしく少しずつ、1日おき程度に続けることがポイントです。ケアしたあとは、必ずミツロウのクリームをぬり、木綿または絹の靴下をはいて寝れば万全です。
精油も果皮も光毒性があり、皮膚刺激は強い方です。使いすぎには注意して下さい。
![]() ユズにクローブを挿して作るユズポマンダーもおすすめ |
日本園芸協会 指導部 佐々木薫
◎このメルマガの文章・写真の転載を禁じます。