ハーブ・アロマ メルマガ 「佐々木薫先生のエッセイ」
vol.11
マテ茶はいかがですか?
世界三大飲料は、コーヒー、紅茶、中国茶、と言われますが、それに次ぐお茶が、「マテ茶」です。南米で伝統的に飲まれてきたお茶で、新大陸に渡った人達に飲み継がれ、今日に至ります。中国茶同様、もともとは薬のような存在でしたが、肉食中心の現地の食生活の貴重なビタミンC補給源であり、スタミナ源でもありました。
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マテ茶の原料となる「マテ」の産地は、ブラジル南部、アルゼンチン、パラグアイにまたがるエリア。世界中でここにしか生育しないとも言われますが、愛飲されているのもこのエリアです。
モチノキ科の常緑高木の葉を乾燥させてお茶にしますが、産地に伝わる伝統的な茶器と作法があります。「クイア」と呼ばれる瓢箪(ひょうたん)を使ったカップに茶葉を入れ、お湯または水を注ぎ、専用の金属製のストロー(ボンバ)を使い、一組の茶器を複数の人で回し飲みします。ホスト役がゲストに順番に回しますが、ゲストはホストからクイアを受け取ったら、マテ茶をすべて飲み干しホストに返します。ホストは戻されたクイアにお湯を注ぎ、次のゲストに渡します。人が火のまわりに集まるように、クイアの温もりを手の中に感じながら、お茶で暖をとり、会話を交わし、親交を深めます。
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近年、ドイツの研究者によりマテ茶の利尿作用と強壮作用に着目した論文が発表され、身体全体の強壮剤、体内の浄化を促進する効果が知られています。さらに最近は、理想的なダイエットティーとしても話題です。
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その特徴は、①豊富な食物繊維。緑茶や紅茶に比べ、食物繊維を豊富に含みます。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく含み、ダイエットや生活習慣病の予防に役立ちます。 ②特徴成分「マテイン」を含有。マテインはマテに含まれるカフェインで、利尿効果や血行促進効果に優れ、高血圧の予防や冷え性の改善に役立ちます。 ③豊富なミネラル。特に豊富なのはマグネシウムとカリウム、鉄、亜鉛です。レモンを加えれば、より鉄分の吸収度を高めることができます。 産地では今なお伝統的な飲み方を好む人も多いようですが、ハーブティーのようにティーポットでいれたり、手軽に飲めるティーバッグタイプ、ペットボトルもあります。日本でもすでに数社からペットボトル製品が発売されていますが、ぜひ一度茶葉で入れたマテ茶を楽しんでいただきたいと思います。独特の苦味がちょっとクセになる味わいです。ただし、カフェインを含むのでお子さんや妊娠中は控えて下さい。
日本園芸協会 指導部 佐々木薫
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