herb& aroma mail magazine

ハーブ・アロマ メルマガ 「佐々木薫先生のエッセイ」
vol.5

寒いときこそアロマで自律神経を鍛える

 寒い日が続いています。わが家では防寒のために室内に入れたレモンの木が花をつけました。ネロリ精油に似た芳しい香りが部屋中に漂い、ひと足先に春の息吹を感じています。スイセンに始まり、ヒヤシンスやミモザ、春先に咲く花には芳香性の高いものが多いですね。

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 さて、外の低い気温は、私たちにとって大きなストレスです。その寒さの刺激から身体を守るように働くのが、自律神経です。自律神経は意思では動かせない神経で、緊張させるように働く交感神経と緩めるように働く副交感神経があります。呼吸、消化、代謝、血液循環や体温調整など、コントロールできない機能を動かし、私たちの身体のバランス(恒常性)を保ちます。
 寒い時は体が震え、意識しなくても体が縮こまります。寒さによって交感神経が刺激され、体温を逃さないよう、血管を収縮させるのです。 また、暖房の効いた温かい環境から急に屋外の寒い環境に出たりすると、体内の熱を放出しないよう、自律神経が急速に働きます。そしてこの寒い屋外から温かい室内に入れば、また汗腺を機能させます。この繰り返しがストレスとなり、自律神経失調症につながる場合もあります。

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 寒い時になんだかイライラするのも、この自律神経のはたらきが影響します。交感神経が働き続けると、同時に心の緊張度も高まります。寒い室内や屋外で何時間も過ごすと、リラックスできない緊張状態が続き、副交感神経が働かず、知らず知らずのうちにストレスとなるのです。
 逆に、ストレスが多い生活を送っていると、寒さを感じやすくなります。ストレスが多いと自律神経のバランスがくずれやすくなり、自律神経のバランスが崩れると、外部の変化に対応するはたらきが鈍くなり、寒さという環境ストレスをそのまま受け入れてしまいます。そして寒さを通常以上に感じやすくなってしまうのです。

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 自律神経の不調は、肩こり、腰痛、頭痛、アレルギーなどさまざまな不調の原因となります。自律神経を整えることは、日常生活の中でとても重要なことです。好きな香り楽しむことやハーブティーでリラックスすることは自律神経のバランスを整えるのに大変有効、ラベンダー、プチグレイン、スィートマジョラムなどの精油が特におすすめです。
 朝起きて朝陽を浴びることもとても効果があります。何よりも規則正しい生活をすることが大事です。たとえば朝と夜に規則的にアロマを楽しむ時間を設けるのもよいかもしれません。朝はローズマリーやレモンなど活性化する香り、夜は前述の緩める香りです。ハーブやアロマを上手に活用し、残る寒さを健やかに乗り越えましょう。

日本園芸協会 指導部 佐々木薫



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佐々木 薫(ささきかおる)
プロフィール:
公益社団法人日本アロマ環境協会認定アロマテラピープロフェッショナル。 NHKをはじめテレビ、ラジオの出演多数。 日本園芸協会の通信教育講座「ハーブコーディネーター養成講座」テキスト執筆者。

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日本園芸協会 学習サービス課 aroma@gardening.or.jp




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